気がついたら婚約者が妹とできていて悪女のそしりを受けています【初回限定SS付】【イラスト付】 (フェアリーキス) [Kindle]
- ジュリアンパブリッシング (2023年2月27日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (372ページ)
感想・レビュー・書評
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一度リタイヤした作品。今回は読了。★は3に近い2。
二重三重の困難や苦しみを抱えて孤軍奮闘している長女ヒロイン。面白くなりそうな冒頭なのにヒーロー登場以降は彼女自身が考え計画し行動するのではなく、ヒーローの後ろをついていってるだけに思えた。
序盤でラスボスの存在と当面の敵の活動も類推できて(そうできるよう書いてあるのだが)、「こういうの読んだことあるな」と感じてしまい今後の期待ができなくなった。
また、ヒーローの正体隠しは別のいくつかの作品でも読んだことがあり、エピソードや描写によっては私でも胸が痛くなるほど感情移入したこともあるが、本作ではそうはならなかった。理由のひとつは、ヒーローの心情描写に足るエピソードが弱いこと、文章のリズムや語句の選択が私には居心地が良くなかったことが大きい。
ほかには、脇キャラが盛り上げてくれればもう少し心が動いたかもしれないが、ヒロインの友人もヒーローの上司もさほど精彩がなく、最も身近な敵は(シリアスな方向でも戯画化した方向でもいいが)もう一回り二回りもハジけてほしかった。
ラスボスも気配だけ何度か匂わせてやっと終盤に登場するだけで存在感が弱く、ヒーローの苦闘を補完しなかった。
最後に、ヒロインが抱えていた家族の懸念事項と恋愛問題は解決・好転したが、さてヒロイン自身が何か変化したかというとさほどでもない。自らの容姿についての自信の無さは誘導されたとはいえ誤認によるものでしかない。彼女はこの物語に描かれた期間で彼女の未来に資する精神的な成果は何かあったのだろうか。
結論としては、私には合わなかった。
巻末のショートストーリーは読んでいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冷遇されている主人公のもとにスーパーイケメンが表れて救い出してくれるいつものパターンではあるんだけど、父親や妹が主人公を虐げる側でなくむしろ仲が良かったり、主人公が妹のために奔走しようとする芯の強さがあったりとちゃんと話が展開していくのがよかった。
継母の態度やら一部謎は残っているけど、妹も含めてハッピーエンドですっきりした読み口。 -
幼い頃から義母から酷い扱いを受けて、自己評価の低いヒロインが家を守ろうと奮闘する姿が健気です。ヒロインは病弱な妹を愛し守っていたけれど、妹本人の成長と自立の為にあえて悪役になろうと心を鬼にする。ヒロインの献身的な行いに胸を打たれました。