- Amazon.co.jp ・電子書籍 (348ページ)
感想・レビュー・書評
-
広告代理店出身の著者による力作。
職場でよく聞く「それ、いいコンセプトだね~」という奴を、偶然性に任せっきりにせずに、ある程度「型」を抽出して、誰でもある程度は使いこなせるようにしよう、とのコンセプト(笑)
前半は特に面白い、後半は若干あきました。時間を取ってワークをしなったからかもしれない。
この著者の本は、他にも読んでみたい!と思った。
・常識的な問いを疑うところからコンセプトを設計する、コンセプトの半分は問いで決まる、筋の良い問いを如何に作り出すか。
・作ろうとする物事の「名詞」を「動詞」に置き換える。その動詞の持つ意味の未来を問う。例えば「車」を「移動する」等。
・本当に価値のあるインサイトは、人間の矛盾する心情が引き起こす葛藤の中にある。本音は葛藤の中にある。顧客のまだ満たされていない隠れた欲求。オイシックスの例。食材宅配+20分の調理。料理の手を抜きたいが、家族に手間暇かけたものを出したい、との矛盾をついた。
・ビジネスコンセプトの原案はどれも最初は周囲を驚かせ呆れさせ激怒させ、だからこそ潰されそうになったヤバい発想。怒り、妄想、偏愛。ごく個人的な感情が新しいビジネスを生み出す希少資源。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■書名
書名:コンセプトの教科書 ――あたらしい価値のつくりかた
著者:細田高広
■感想
TOPPOINTで読了。
一部気になる点あり。 -
コンセプト作りには第3章からでいいが
第2章の問いは問題解決に使える
なぜコンセプトが大切?
→コンセプトが決まると何をどのようにつくるかが決まる。設計図のようなもの。
→一貫性を持つことができ、差別化ができ、値上げできる
コンセプトという単語を辞書でひくと「全体を貫く新しい観点」(『明鏡国語辞典第二版』)などと説明されています。コンセプトアルバムを念頭に置くと、違和感なく理解できるのではないでしょうか。
具体化:
ビートルズの世界一売れたアルバムは、
コンセプトアルバムという世界最初のものだった。
これは架空のバンドが20周年を迎え、
お祝いパーティーを行う1日を表してるアルバム
ジャケットの写真も著名人がパーティー後に
撮った写真っぽくしたりしてる
転用:
商材のコンセプトは
『自社で求人できる仕組み』
自分たちで求人する話とか、それで上手くいった客の話とか
コップを「水を運ぶ」へ。スクールバスを「通学する」へ。問いを名詞から動詞へと置き換えるとき、自ずと問いの重心がモノからヒトにスライドします。
具体化:
新しいスクールバスは?と聞かれても
色違いとかしか答えられないが、
新しい通学手段は?って聞くとロケットとか
自由に答えられる。
抽象化:
名詞を使わずに、動詞で問いをつくる
転用:
接触率を上げる方法は?
どうすれば代表と話す機会が増やせるか? -
『コンセプトの教科書』読んだ。MVVに始まり、パーパス、ブランド、インサイト。混同しがちな概念を整理すべく豊富な事例を確認しながら、理論と実践のフレームワークまで落とされているので教科書として使いやすい。突き詰めると、分散からの収束を促す言葉の使い方が学べる。
-
いわゆる型・テンプレートを扱う本において、ぶっちぎり今世紀最高傑作なのでは?
同業者として、嫉妬せざるを得ない網羅性と巧み性と、偏愛性がギュッと濃縮された一冊。楠木先生の帯文の通り、「思考と経験を凝縮したフレームワーク」が並ぶ、まさに名教科書。
クリエイティブディレクターである著者ならではの視点から描かれる独創的なフレーム、という側面もある一方、3C分析やジョブ理論をはじめとした経営学、心理学、社会学などの骨太なアカデミックの手付きも幅広く下敷きに使うことで、単なる持論ではなく、再現性の高い理論としての高い完成度を維持した驚きの書。