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感想・レビュー・書評
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昨今出版されるAI系書籍のなかで最も面白かった。
世界中の事例、AIツールの使い方、テキストや画像生成のプロンプト例など、幅広くAI情報が網羅されている。
・AIとは未知のテクノロジーではなくパートナー
・意思決定をするものではなく、生産性を劇的に向上するもの。正解を出すものではなく、案を出す
・いままでのAIとの決定的な違いはジェネレーティブ(生成力がある)であること
・AIは合理の極み。ということは、人間は面白さや信頼など感情面を鍛えることが重要になる。人間が合理性を極めにいくことはほぼ意味がなくなっていく。
・AIが当たり前になる以上、プロンプトが重要になる。つまりアウトプットの力が今まで以上に必要になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
AIの有効活用は、今後必須のスキル。
実例等も記載されており、わかりやすかった。 -
テクノロジー全般に対しての無知・無理解という問題は、日本も他人事ではありません。
(引用)AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方、著者;伊藤穰一、発行所:SBクリエイティブ株式会社、2023年、271
私自身、ChatGPTとの出会いは、まさに驚きと感動に満ちていた。これまでのWeb検索エンジンとは全く異なり、ChatGPTは、まるで知り合いとの会話のように自然で親しみやすく、欲しい情報を瞬時に提供してくれる。その即座な反応に、私は一瞬でChatGPTの虜になった。
ChatGPTをはじめとしたジェネレーティブAIの活用方法は、実に多様だ。例えば、「自分は〇〇である。自分にふさわしい座右の銘を示せ」と入力するだけで、ChatGPTが私にぴったりの座右の銘を提案してくれる。そして、「故事成語から案を示せ」と続けて入力すると、ChatGPTは新たな案をサクッと示してくれる。私は、これらの対話が、私の日常にさりげなく溶け込んできたことに気づいてきた。それは、今まで自分の知識や知恵のみで勝負してきた実社会から、私たちの目に見えない、膨大な知識の宝庫にアクセスできるようになったことを意味する。私は、新たな喜びに似た感覚さえ覚えた。
このたび、伊藤穰一氏によって著された『AI DRIVEN(SBクリエイティブ株式会社、2023年)』は、AI時代の到来にふさわしく、興味深い書籍であった。特に、ジェネレーティブAIの活用による様々な局面での役立ち方が詳細に述べられているところが役に立つ。
まず、伊藤氏によれば、ジェネレーティブAIの力が我々の生活にどのように寄り添い、想像力を刺激するかに触れられている。伊藤氏によれば、ジェネレーティブAIの真髄が日常的に感じてきた面倒なことを解消し、着想の源を得て、アイディアを磨きあげることを主張する。普段から私もChatGPTを活用しながら、特にアイディアを磨きあげることの凄さを実感している。そのため、私はChatGPTと対話するときに、深い理論を追求する際のプロンプトが重要であることも経験している。私は、伊藤氏と同様、AIを利用する上で、より的確な情報を得るためには、適切なアプローチが重要だと感じているからだ。
一方で、ChatGPTは「嘘」をつくことがあるため、その出力を見極めることが大切である。そのため、ジェネレーティブAIは、信頼性に対する課題もあるため、AIの出力に対しては慎重な判断が求められる。この「嘘」であるが、私は密かに、本書でも触れられているマイクロソフトのBingに一筋の光を見出している。私は、今までChatGPTのアプリを活用していたが、2023年2月、マイクロソフトは検索エンジン「Bing」とウェブブラウザ「Edge」のニューモデルを発表した。そこには、最新版のChatGPT-4が搭載されており、誰でも無料で利用可能だということを本書で知った。早速、今までChatGPT-3.5を利用してきた私は、マイクロソフトのBingを活用してみた。このBingでは、会話スタイルを「独創性」「バランス」そして「厳密」で選べることが可能となっている。私は、より正確な回答がほしいため、「厳密」を選択してみる。そして、私の専門性のある仕事の質問をしてみると、Webで関連情報を検索し、見事、的確な回答を示してくれた。まだ、精度には、若干の不安があるものの、ChatGPT-3.5より精度の向上が見て取れた。そして、Bingでは、引用したWebサイトまでを示してくれた。また、AIがより精度の高い画像生成に取り組むことで、デザインやアートの領域での可能性が無限に広がっていくことも期待できる。これは、素質がなくとも、誰もが芸術家やデザイナーになれる可能性を秘めていることを意味しており、AIの力によって、私たちの創造性が加速されることに期待が膨らんだ。
一方で、本書で指摘されているとおり、AI生成時代の教育やリーダーシップに対する新たな要請が指摘されていることも重要な課題である。AIの普及により、人間とAIの共存をうまく進めるために、教育や指導者に対する適切なサポートが必要とされている。特に教育については、本ブログの冒頭に、伊藤氏による我が国のテクノロジーの進展が遅いことを懸念した文を引用した。かつて、哲学の父とも呼ばれるソクラテスは、自分に知識がないことを自覚するという概念で「無知の知」という考え方を示した。自分がいかに「無知であることを知っていること」つまり、「知らないこと」よりも「知らないことを知らないこと」のほうが罪深いとした。まずは、我が国も「これまで無知であった」ことを自覚し、未知の可能性に向けて好奇心を持ち続けなければならない。だからこそ、次代を担う子どもたちへの教育のあり方についても、AIとともに成長し、共存していく社会に対応していくものでなければならないのだと感じた。
『AI DRIVEN』は、ジェネレーティブAIの活用による未来の展望と課題について専門的な知見を示した、興味深い書籍であった。私は、AIの時代の道標となる本書を拝読し、AIの進化に対して、一層の興味と希望を抱くことができた。そして、今後もAI技術の進化を見守りながら、私たち自身や社会の成長とともに、新たなテクノロジーの進展によって、我が国の未来が輝きを増していくことを願った。 -
「AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使って人間のできることが拡張されていく」
正にその通りだなと思った。
一般的に「生成AI」と呼ばれるツールを使って自分の生産性を上げて、自分にしか出来ない仕事をする時間を増やしていきたい。
自分には小学生の子供がいるが、少しだけ生成AIに触れさせてみようかなと思った。
今後はAIと共存していく社会が当たり前になる。
出来るだけ早いうちから触れさせる事が大事だと感じた。 -
元MIT Media Lab. の伊藤穣一による、ChatGPTによる影響がどのように我々のビジネスに影響を与えるかを考察した本。他と比べて特に深い内容はなかったが、Overviewをつかむにはいいかもしれない。
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元MITメディアラボの所長で、現在は千葉工大の変革センター長を務める著者が、現在急速な発展・展開をみせているジェネレーティブAIがどのような位置づけの技術で、どのように活用していけばよいかを語った一冊。
前著「テクノロジーが予測する未来」よりもより一般的な読者層に向けて、平易な表現で語られているのが印象的。
chatGPTのようなジェネレーティブAIもどんどんツール化して、AIと認識されていかないといのはその通りかなと思う。
ジェネレーティブAIに頼ると人間が考えなくという論調もあるが、これからは自分が何をしたいのか、何を実現したいのか、自分の願望が明確な人がより楽しく人生を送れるのかなという気がしている(そういう人は余計な雑事をAIがやってくるなら、自分がやりたいことに集中できる)。