- Amazon.co.jp ・電子書籍 (486ページ)
感想・レビュー・書評
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初めて加藤さんの小説を読んでみました。
想像より遥かに重厚でした。
ただ詰め込み過ぎな気がしました。 -
話の構成、キャラクター、各時代の考証全て綿密に作られていると感じた作品。文章内で用いられる比喩表現も熟練されていると感じる。
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《キーワード》
絵画 展覧会 報道局 イベント事業部 石油 油田 第二次世界大戦 土崎空襲 秋田県 自閉症スペクトラム ミステリー
《心に沁みたフレーズ》
正しさは振りかざすだけの矛ではない。
《感想》
400P超で読み応えあり。
現代と過去を行ったり来たりする構成。
複雑な人間関係と時代背景。
昏い回想が多かったけど、最後まで読んで良かった。感動。
え、どこかで見た名前だと思ったら著者ってNEWS(元ジャニーズ)のメンバーなのか! -
100年に及ぶ長大な大河小説のようなミステリー。若い著者の力作に拍手を送りたい。TV局の報道部からイベント部に異動した主人公の守谷京斗が同僚の吾妻李久美から誘われ彼女の祖母の遺品・無名の画家イサム・イノマタの1枚の絵画から、この作家の展覧会を計画することからこの話はスタートする。そしてイサムの著作権が50年か70年か、その境目になる日1967年12月31日の秋田での不審火による猪股傑・猪股石油産業社長死亡事故の謎を追いかけていくことになる。傑の弟・勇はその日から行方不明で、失踪宣告がなされていた。この事故を追究していく上で傑の養子・輝、秋田の警察官・長谷川勉、猪股社の副社長・赤沢寅一郎などから話を聞き、過去の様々な時点での猪股家に関係した人々のことが明らかになり、ストーリーはその時代に戻るという巧みな構成だった。謎が明らかになる中で、一人の忘れ去られている重要な人物が浮かび上がってくる。
「なれのはて」という題名は、実は石油が生物の死骸が長い年月を経て蓄積して生まれたのもだという説明がなされており、この謎にも関係の深いものだった。
最後は展覧会の場面でハッピーエンドになるのだが、途中の残酷な場面は少し展開に無理があるように思った。 -
読み返して「そうだったのか」と気づける箇所が何か所かあった。
謎が説かれても、読み返したくなる本です。
「火事場の馬鹿力」でパワーが解放されるように、内面に湧き上がる破壊的な怒りに理性を壊されたとき、人間は獣化するのかもしれない。 -
4.2
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登場人物の繋がりが難しかった。弟?子供?えっ!?誰?!って感じ、後半読み進むのがしんどかった。
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オルタネートに続いて2作目読了。
オルタネートがあまり響かなかったので、今回はどうかな?と思いながらだったけど、今回は取材、調査に基づいて書かれた重厚な作品だと感じた。
一枚の絵の作者を巡り、秋田で猪俣家の謎に迫るわけですが、まぁ登場人物の相関が難しくて笑、自分で相関図を作って読んだ。
人物表か相関図があってもいいかなと思ってしまったのは私の読む力が足りないのだろうか…
それぞれが苦しい気持ち、譲れない気持ち、様々な気持ちを抱えて生き抜いた戦前〜戦後の物語なだけにたまに話が薄くなるところもあったが全てを書いていたらページが足りないな。
なれのはての意味、そして最後のシーンと、全体的には満足な作品でした(^^)