ただ、それだけでよかったんです【完全版】 (メディアワークス文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2023年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (246ページ)
感想・レビュー・書評
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自殺した弟に何があったのか自力で調べ始める姉の視点と、いじめの加害者と目された地味で寡黙な少年の視点で、ストーリーが進行して行く。果たして加害者とされた少年は本当に悪魔なのか?人気者の天才少年は本当にいじめの被害者なのか?
自殺した少年の姉が抱いた「生徒同士で互いを採点する『人間力テスト』と呼ばれる制度」に対する違和感。
姉の問いかけに対して校長は「人は他人の評価から逃げられない」と言い放つ。しかし、生徒同士で順位付けし合う教室、いったい何が起こっていたのか。
関わっていた子供達・大人達がそれぞれに加害者または被害者または目撃者として真実(偽り)を語り始める。
エンディングはある意味で虐めの加害者と被害者(実はかけがえのない親友)の和解のようなテイストとなっており、後味の悪さが軽減された思いで読了した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は将来いじめや不登校の今の教育の問題と生徒と向き合えるような教師になりたいと思っています。
なので今回はいつも娯楽で読んでいる本ですが、自分の将来への糧にしたいと思い読みました。
この本はいじめる側の理由・いじめられる側の理由
両端があり、とても考えさせられました。
この本で、すごく心に残ったのは、「人間力テスト」です。
容姿・性格・頭の良さなど人間が潜在的が評価しているものを
実際に点数を書き、順位つけるテストです。
校長の「人は他人からの評価から逃げられない」が自分にぶっ刺さりました。今の自分もどこかで自分がよく見られたいと思ってたなって他人の評価なんか気にしないって思っても自分も他人を評価してしまうし、されるのを恐れているから無限ループだなと、笑笑
答えはなかなか出ないですね。
でも一つ思うのは、その他人のある程度は評価も必要だなと思います。
無かったら、皆自分勝手に生きてやりたい放題です。
社会が成り立たない。
でも他人の評価を恐れて逆に人に悪意をむけるそれは良くない
だからこそそれをさせないための教育ですよね。
人を意図的に傷つける人の気持ちは理解し難いですが、
その人を悪だと自分たちが決めていい理由じゃないですよね。
私はいじられたことがあり、
いじめっ子のグループにいた時期がありました。
もちろんいじめの直接的なことはしたことはありませんが、
まぁ間接的にはしたことになります。
どちらも経験をしたことがある自分だからこそ出る結論は、
大切なのは、
やったこと・されたこと根本的な理由を見つけることと
子供たちの未来を子供たちが向きあえる環境づくり
大人が責任逃れするじゃなくて、子供たちと向き合う。
難しいと思います。
でもそんな教師を目指してます。