幸せな家族 そしてその頃はやった唄 (中公文庫) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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  • 複数の偶然と必然が重なって幸せとされた家族全員が死ぬ話。犯人はミステリーに疎い私でも途中から気づくことができるが、みんなの死に方がバラバラでかなり工夫されていて、読む分にはおもしろかった。特に目で兄を殺すシーンは1番読んでいてドキドキしたし、弟まで死ぬとは思っていなかった。そしてなにより、読み終わった後に犯人や周りの家族の行動の動機を想像するのが醍醐味だと感じた

    エッラソーな態度の父と兄に腹を立てた直後に2人は死ぬが、弟は自分の感情を外に出せない弱い自分が憎かったのでは?と思った。だから本当は兄と同じように、父からの愛情も欲しかったと思う。そして弟と姉は似ているからお互いの考えが手に取るようにわかる。姉も父から溺愛されてはいたが、親からのもっと純粋な愛情を欲していたのでは?秋山と付き合ったのも姉の退屈病がなせたことかも。大人になればもっと自由に生きられるのにそれまで我慢できなかった弟と姉が残念。

    ◾️幸せな家族とは?
    人が死に出す前から、この家族は幸せそうには見えなかったが、バブル期の作品と分かり少し腹落ちした。家族それぞれが相手を本気で思いやるシーンもあるし、天気クイズをみんなでするぐらいだから楽しい思い出もあるはず。男の子と女の子にも恵まれて、高収入な父に優しいお母さんがいる。これが世間的に幸せな家族だったのだろうと思った

    ◾️読んだきっかけ
    久々にミステリ小説を読みたくなった
    本屋さんのポップと可愛いタイトルと表紙絵に惹かれて購入

  • 犯人はすぐわかる。
    サイコパスというくくりになるのかなあ。
    無邪気が一番始末が悪いが最後を思うと、ただ無邪気ではないのかなあ。悲しい。退屈って大変だ。
    でもあの人を殺してしまう時だけはなんだか切なく悲しい。子供自分に読んでたらトラウマものかも知れないが、とっくに大人なので歌謡曲がからむ悪魔の手まり歌というか、そして誰もいなくなったというかお話として面白く読めた。

  • 読後感は全く良くないけど、一気に読ませてしまう吸引力があった。

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