おいしいごはんが食べられますように [honto]

著者 :
  • 講談社
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感想 : 1
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  • honto ・電子書籍
  • / ISBN・EAN: 9784065274095

感想・レビュー・書評

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  •  初めて読む作家さんですが、読み口はとても軽く感じます。まるで大衆小説のような軽い感じで読み進められます。選評にもあったとおり、視点が移り変わるのに、とてもスムーズに読めるところが、文体として洗練されているのだと思います。
     人物造形も巧みだと思います。3人が3人とも、独特の感覚を持ち合わせているところや、人間としての怖さの表現はとてもうまいと思いました。
     通り一遍で読むと、こういう職場あるあるみたいな感じですが、その実は、最も弱いものの無意識の暴力的な攻撃性が、とてもうまく表現できていると思いました。そしてそれは、登場人物の誰にも両面を持つことの怖さとなって、人物が立体的に見えるのだと思いました。
     ちょっと気になったのが、作者の受賞のことばで、「むかつくことを書き続けたい。」と言っていたことです。そのあたりが、少し違和感を感じるところなのかも知れません。確かにそうなのかも知れませんが、どこか「書かずにはいられない。」という感じが希薄な気がしました。書き続けているのだから、書かずにはいられないのだとは思いますが。

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著者プロフィール

1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞しデビュー。2022年「おいしいごはんが食べられますように」で第167回芥川賞を受賞。著書に『犬のかたちをしているもの』『水たまりで息をする』『おいしいごはんが食べられますように』『いい子のあくび』『うるさいこの音の全部』がある。

「2024年 『め生える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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