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- Amazon.com ・洋書 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9781609987985
感想・レビュー・書評
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ジュリアン・バーンズの『終わりの感覚』
悪くはないのだけど、前半はとにかく読みがなかなか進まなかった。後半になってヴェロニカがトニーの人生に帰ってきたあたりから俄然面白くなってきた。特に感動本という訳でもないが、本は上手く書かれていると思う。あちこちで、なんとなく心に留まる文もあったけれど、年齢を重ねる事の哀しさや無力さを感じるというか、なんとなく重い気持ちにさせられる。。。
しかし、なんだろうね、このトニーという男は。『俺ってダメ男かなぁ、年取ってさぁ、でも俺なりに辛い事もあったし、今は幸せだよ』みたいな。あんた他人の事は考えた事無いだろ、みたいな。結局、この男には親友も本当に愛した女もいなかったんじゃないだろうか?恋愛関係のうちの都合の良い部分だけ覚えていて後は忘れてるなんて、失礼もいいとこ。自己愛しか無い男だったらから、女が皆去っていくんじゃないのか?それに気が付いていない所がこの男の不幸であり幸せなところ。
一応最後のどんでん返し(?)は読んだけど、なんかすっきりしない。だいたい、はっきりと述べてあるわけじゃないし、この主人公トニーの記憶と見解も信用できないし。なんだか深読みをしてしまうというか、もしかしてオチを勘違いしているのか・・・と、なんだかもやもやする。活字で部分的に再読してみようかな、と思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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