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- / ISBN・EAN: 9784003390917
感想・レビュー・書評
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電気で有名な英国の科学者マイケル・ファラデーが、青少年のために行ったクリスマス講演会の講義録をもとに出版されたものである。
この本は、昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、化学を志すきっかけとなったものとして有名になり、自分もその影響で購入した。
ファラデーの講義録は、さすがに青少年向けとあって非常にわかりやすく、当時の一般社会への科学啓蒙に対する情熱が伝わってくる。「ロウソクの科学」という訳で現代でも「ロウソクの化学史」といったようなところだが、内容はロウソクの話から広がって、気体の電気分解や酸化・還元といった化学の興味深い内容に詳しく触れている。
現代では中学の理科で習うような内容だと思うが、当時の青少年たちからしたら、これは科学の最先端の内容だろうと思う。本書にも、当時の子供達になったつもりでという記述があったが、当時この講義を聴いた子供たちは本当に衝撃的な印象を受けたに違いない。
本書は、ファラデーの生涯についても納められており、階級支配のあった当時の英国でしがない印刷工が、王立研究所の研究者になる話は非常に印象的だった。
幸運もあったろうが、ファラデーの科学に対する情熱が、様々な障害を乗り越える原動力になったのだろう。今からでもこんな情熱を燃やしたくなってしまった。確かにノーベル賞受賞者が推薦する本だとなぜか感心し、読んで損はないと思った一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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