1903-1979フランスの作家。1903年、ロレーヌ地方のグリュエー=レ=シュランスに生まれた。幼いころから一貫して宗教教育を受け、パリで神学生となるが、1925年、女優とのスキャンダルが持ち上がり放校、鬱状態だった時期にシュルレアリスムを発見し、ブルトンらに接近した。すぐにグループの活動からは離れたが、終生シュルレアリスムを意識し、キリスト教とのあいだで揺れ続けた。シュルレアリスムに近かった時期に書かれた本書『パリのサタン』(1927)から、第二次世界大戦後の自伝的小説『ユダ、あるいはシュルレアリスムの吸血鬼』(1948)や小説的自伝『悪魔的体験』(1949)にいたるまで、常に現実と虚構の境が見分けられない特殊なスタイルで、ひたすら自らのファンタスムを文章化していった。次第にオカルティズム的傾向を強め、黒ミサを昇華した「金のミサ」を夢見るようになる。1979年没。
「2015年 『パリのサタン』 で使われていた紹介文から引用しています。」