反省させると犯罪者になります (新潮新書 520)

著者 :
  • 新潮社 (2013年5月17日発売)
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悪いことをしてしまったときに、反省だけさせても、意味はない
なぜ、そのような行動を起こしたのか、共に考え、自分の心の奥底にある、悲しみ、苦しみ等のネガティブな感情を吐き出させる
(幼少期に自分の欲求を吐き出すことができず、感情を抑圧されていることが多い)
そこから、自ずと被害者の心情に思いを馳せたり、反省したりすることができるようになる

「〜しなければ」というしつけが厳しいほど、それができない人への寛容がなくなり、いじめをうむ。
「相手に抱く不快感は、自分の心に植え付けられた価値観から。」とりあえず、そのことに「気がついている」だけでも、よし。

いじめ防止の教育について。
「被害者が「かわいそう」だから、いじめはいけない。」
と、被害者側から考えるのでなく、加害者側から考える。なぜ、いじめてしまうのか。
人は誰しもストレスを持っていると、それが弱いものに向かうことがある、と学ばせる。

気づき
・子供のわがままや癇癪は、自分を思い切り出しているんだな〜、健全、健全。くらいのおおらかな気持ちで対応する。大人が不快だからといって恐怖で抑圧しない。
・相手にイラッとする時は、自分の信じている価値観と違うから自分はストレスを感じた、と気付く。
・被害者からの視点でなく、加害者の視点から考える。すごく納得できる考え方。ダメなこだとわかっているのに、なぜやってしまうのか。勤務している学校現場でのトラブル対応も、この考えは非常に大切だと思う。
・納得感のない謝罪や反省は、無意味、どころか害悪。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教育
感想投稿日 : 2021年5月23日
読了日 : 2021年5月23日
本棚登録日 : 2021年5月23日

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