主役は藤原不比等の娘・安宿媛(光明子)。この時代は割と泥臭いというか、激しい権力抗争で生き馬の目を抜く、といった状況だが、清原ワールド全開の飄々としたキャラクター達。シリアスなようで、脱力するようなユーモアがあちこちに散りばめられている。何でゴルフしてんの、何でハワイにいるの、とか突っ込みたくなるんで(笑)歴史に疎くてもそれなりに楽しめるとは思うが、古代ファンなら唸るくらい史実がうまくまとめられている。顔に名前を書かれた(いつもバレエを踊っている)藤原四兄弟、サイコーだ。
ペルシア人仏師・カイとの恋愛。その後のまさかの流れは結構ほろ苦く、古代なのにどこか現代にも通じるような展開がすごい。清原さん、もっと歴史物発表して欲しい…。
同時収録の短編、往年の「りぼんオリジナル」や「ぶ~け」の空気感が懐かしい!このナンセンス感。幼い頃はピンと来なかったが、今ならわかる。
解説の倉本由布さんが述べていた、そこはかとないせつなさ。それが清原作品の魅力だ。(倉本さん、コバルト時代によく読んでました!解説で再会できて嬉しい)そこはかとなく、だからこそ後を引く。何がその人にとっての幸せなのかなと…どの作品も考えさせられるのだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2022年10月26日
- 読了日 : 2022年10月26日
- 本棚登録日 : 2022年10月9日
みんなの感想をみる