ネコの手も借りたい

著者 :
制作 : 小学館 
  • 小学館 (1989年8月1日発売)
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本棚登録 : 21
感想 : 5
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高校生の時に出会い、大好きだったこの斉藤由貴22歳時のエッセイ集を、無性に読みたくなり買い直した。文庫化もされていたが、あえて単行本で探した。内容は勿論のこと、単行本のつくり自体が気に入っていたから。小花柄の表紙(今回気付いた。サンダーソン!)、水色・ピンク・黄色のスモーキーパステルの紙、ちょっと縦長の明朝体、伊藤正道さんのかわいらしい挿絵。そして、当時の斉藤由貴の、くりっとした目のボブヘアーのモノクロ写真がまた愛らしい。
本書は、ラジオ番組のエンディングポエム&エッセイで構成されている。一行ポエムの甘さと儚さがとてもよい。11匹のネコが「ユキ」について語るという体で綴られたエッセイは、アラフィフの自分が読むと、さすがに幼さ&若さゆえの頑なさが滲んでいるなと感じるけど…高校生の自分は、ユキのそんなところに救われたんだよなと今でもくっきりと思い出される。ユキのお部屋描写のディテールの細かさは、今読んでもワクワクするな。中でも彼女お気に入りの、むずがる赤ちゃんのオルゴールがかわいい!
家族や友人との関わり、マンガ、小説、絵画など自分の好きな作品との関わり、そして歌やお芝居との関わり。柔らかで伸びやかで、でも時々頑固なところが垣間見える文章。改めて、斉藤由貴の感性が好きだなと思えた。
昔感銘を受けた本にまた出会うというのはいいものだなと改めて思う。安易に本が手放せなくなりそうで困るけど(苦笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サブカル・エッセイ
感想投稿日 : 2021年3月28日
読了日 : 2021年3月28日
本棚登録日 : 2021年2月1日

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