「間取り」で「妄想」することが好きすぎて、定期的に間取りの夢を見るほどだ。そんな私だから、この本が様々な書評で取り上げられ話題になっていたときから気にはなっていたが、登場する間取りが如何せん個性的すぎないか…?というのが引っかかっていた。でも読み始めたら、それぞれのクセがある間取りから広がる暮らしぶりが何とも面白く、シュールな物語世界と淡々とした文体に早速魅せられました。
独特の世界観なので好みは分かれそうかなとも思うけど、間取りと文章を交互に見比べながら、脳内であれこれ想像するのはなかなか楽しかった。ストーリーとして面白かったのは、ユニークな間取りにちょっとした助平心を挟んできた「浴室と柿の木」かな。最終話の「夢に見ました」、半分は自分のことかと思いました!「現実では決して体験することのない至福感に全身を持っていかれる」、まさに、私が間取り夢を見たときの思いそのもの。最近は見てないが、本書に出てくるようなシュールな間取り夢を見たいなぁ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の作家
- 感想投稿日 : 2018年12月17日
- 読了日 : 2018年12月17日
- 本棚登録日 : 2018年12月4日
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