沼の王の娘 (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン (2019年2月16日発売)
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本棚登録 : 189
感想 : 27
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14年に渡って若い女性を拉致監禁した男と、彼らの間にできた娘。その娘ヘレナが主人公。彼女は12歳で父の元から逃げ出し、現在は夫も子供もいて幸せに過ごしていた。だがある日、終身刑で刑務所に入っていた父親が脱獄し逃亡しているというニュースを知る。
ヘレナが逃亡中の父親を追う場面と、彼女の子供時代とが交互に描かれる。どちらも彼女の視点から語られるので、残酷で冷酷なサイコパスである犯人が、同時に賢くて自然を愛し彼なりの愛情を持っている父親であることが、自然に納得できる。文明から離れ厳しい自然の中で暮らす生活が生き生きと描写され魅力的。ある意味結末は想像できるからこそ、中身をじっくり堪能できる話だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー(海外)
感想投稿日 : 2019年7月5日
読了日 : 2019年7月3日
本棚登録日 : 2019年2月7日

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