星に願いを、そして手を。

著者 :
  • 集英社 (2017年2月24日発売)
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本棚登録 : 749
感想 : 86
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16歳現役高校生による、小説すばる新人賞受賞作。
館長の死をきっかけに閉館することとなった科学館。そこで再開したかつての幼なじみたち。
みんな一緒に宇宙に憧れを抱き続けてきたはずが、ぎくしゃくしたままそれぞれの道で大人になってしまった彼らは、何かを取り戻すかのようにまた科学館に集まり、そこに残されたままの謎を解き明かそうとする。

夢に破れた人、夢を諦めた人、夢を忘れた人、夢を迷う人、夢がみつからない人。
”夢”というものが持つパワーや大切さ、苦しさや輝かしさを改めて思い起こさせてくれる物語でした。
あまり作者にはとらわれたくないのですが、やはり現役男子高校生のもつ弾けるような生命力を感じざるを得なかった。
文章はまだまだ未熟で荒削り、小説としての完成度もそう高くは無いもしれない。
けれど、作者が感じていること、伝えたいこと、きっと書かなければならなかったことが強く強く光を放っている。
そういう光に触れられたのが、読者としてはただ嬉しく思えました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2017年3月27日
読了日 : 2017年3月27日
本棚登録日 : 2017年3月27日

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