アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

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  • 新潮社 (2017年10月27日発売)
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2017年10月発行 
過大評価されている仮想通貨
2013・2014年国際会議でも話題→2015年・終わったブーム
期待が高まるブロックチェーン 不正防止 登記、医療、選挙システム、ダイヤの鑑定書 コストが10分の1

すべての始まりはビットコイン 2008年サトシナカモト BTC 最小単位少数第8位 0.00000001☆900,000円だと 円
各ウォレットにビットコインアドレスを割り当て P2P peer to peer 端末はpeer 又は node

ビットコインを支える不思議なメカニズム 所有者が2人に譲渡した場合→どちらが正しいか決定
①1つのブロックに10分間の取引の情報が収納②ハッシュ値 hash value 元になるデータから一定の計算方法によって求められる規則性のない固定長の値 出力値から入力値(元データ)は復元できない(一方向関数)③ナンス値 number used once
ブロック全体のデータ=前ブロックのハッシュ値+取引データ+ナンス値
次の新規ブロックを追加できる条件→そのブロックのハッシュ値が一定の条件を満たすものになることが必要(ハッシュ値の最初に一定以上のゼロがあること)→適切なナンスを探し当てる必要がある
複雑な計算必要 プルーフオブワーク→この計算に約10分必要・悪意の偽装は世界中のコンピュータでも困難

マイニング→最初の人が報酬総取り・2番手以降が承認

1000種類以上もあるビットコイン類似の仮想通貨 アルトコインalter coin 代替えするコイン
時価総額2017年8月 ビット56,037MD イーサリアム27,850MD リップル6,907MD ビットコインキャッシュ4,570MD

ビットコインは果たして通貨か?→法律で定めているものに含まれていないので違う→同義語反復(トートロジー)的説明
貨幣の3大機能は満たす①交換手段②価値の尺度③価値の保存手段
帽子が0.027742BTC 価格が予想外に高騰しBTC建ての表示価格は小数点以下の細かな数字になってしない価格表示機能としては分かりにくい・ビットコインの設計段階では現在のような高い価格は想定されていなかったことが推測できる。
価値の保存手段 2013年3月キプロス危機・預金封鎖を嫌いビットコインへ 1BTCが5ドルから250ドルへ

第2章 仮想通貨に未来はあるのか ビットコインのダーティーなイメージにつながった3つの事件①麻薬サイト・シルクロード(特別な手段によってのみアクセスできるサイト・深層サイト)→BTCが決済手段だった
②マウントゴックス(☆東京のどこにあったのか?)470億円顧客分75万BTC自社分10万BTCがハッキング→警視庁調べで社長の自作自演
③ランサムウェア(身代金要求型ウイルス) 2017年5月サイバーテロ WannaCry泣きたくなる

一握りの人のためのビットコイン 1BTC以上の保有は全体の3%(いびつな構造)☆R10615現在90万円→買うべきなのか?R010623現在115万円
マイナー(電力を使う 1kW 日本30円 アメリカ12円 中国4円)→中国で大部分が実施
2015年8月人民元の切り下げ 外貨へ移すのは規制あり→BTCへ
2017年 中国当局が取引所規制 資本逃避が主たる目的では正常な姿ではない。

ビットコインの仕組み 発行条件2,100万BTC 2017年8月に既に1650万(79%発行)だが、1ブロックに10分かかるのであと123年→それまで安泰か? 2028年には上限の98% 2032年には99% 近年市場では将来への期待が価格形成に大きな役割→期待が剥落して暴落する危険性あり
リワード(報酬)の半減期 halving 4年ごと 2016年7月12.5BTC 2020年6.25BTC 2024年3.125BTC
ビットコインの価格が2倍に上昇していればマイニングによって得られる法定通貨(ドル、円)ベースでの収入は変わらない→都合よく上がるか?年19%

全世界でマイナーが得ている総収入 時間当たり6個×24×365=5.3万ブロック リワード12.5BTC 48万円であれば3200億円程度

ブロックサイズ問題がもたらしたビットコイン分裂騒動 2017年8月1日 取引に時間がかかる件への解決方法(圧縮する・容量を増やす)
中国のマイナー大手が自社の採掘マシンを使えなくなることから反対→分裂

オランダチューリップバブル 1634年 3年で前触れなく崩壊 専門家This time is different. 詐欺に注意

ブロックチェーンこそ次世代のコア技術→金融、流通、不動産、医療
デジタルアセットの所有権の登録と移転
ブロックチェーン1.0→仮想通貨 2.0→金融分野 3.0→非金融分野への応用(登記…)

ブロックチェーンの類型 オープン型とクローズド型(中央管理者あり☆コリンズテクリスと同じか?)
合意形成の方法も4種類あり プルーフオブワーク…

国際送金における応用 リップル 2016年

通貨の電子化は歴史の必然 貨幣の変遷は技術進歩と共に(偽造できないもの)→電子化へ eクローナ…
1990年から2000年代に中央銀行は検討 15年前から始まっていた通貨の電子化
1990年ごろ日銀でも研究→無限にコピーされる危険性 ブロックチェーンは画期的発明

中央銀行の実証実験 カナダコイン シンガポール通貨監督庁(MAS)

現金流通高の名目GDP比 日本19.4% ユーロ圏10.6% 米7.9% スウェーデン1.7%→人々が現金を使わなくなってきている☆日本の将来の姿はイメージできるか?

中央銀行のシニョレッジ(通貨発行益) 発行された銀行券→BSの負債再度に計上、金利は発生しない→資産サイドの国債、貸付金には利子が発生→無利子で調達し利子の付く資産を保有する構造
スウェーデン(デジタル通貨導入に向けた決断 2018年)→☆結果どうなったのか?

中央銀行がデジタル通貨を発行する日 中央銀行マネー→オープン型にする必要はあるが、マイナーは、匿名性は…

デジタル通貨は中央銀行の新たな政策ツールとなるか?→金融緩和(効果薄い)→マイナス金利
1920年代ドイツ・ゼゲル「スタンプ付き紙幣」→印紙代分価値が低下→消費促進の効果あり
貨幣では紙面に印紙を貼る手間がありムリ→電子的ならば可能☆管理料名目で目減りさせれば理解されるか?

ブロックチェーンによる国際送金革命
高くて遅い国際送金の現状→安くて早い国際送金を目指す「リップル・プロジェクト」
国内におけるリップル・プロジェクトの展開→内外為替一元化コンソーシアム SBIリップルアジア(株)→☆どんな会社か調べること・将来性は? リップルに関して一国内で60行以上のユーザーグループを形成している珍しい例

有望視される証券決済へのブロックチェーンの応用
現在→中央集権型で複雑な現行の証券決済
相次ぐ実証実験プロジェクト ナスダック、ゴールドマンサックス

ビットコインはバブル、良い終わり方はしない

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感想投稿日 : 2019年6月23日
本棚登録日 : 2019年4月14日

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