『英語のハノン』・・・・・「ハノン」ってなに?
「ハノン」という言葉にピンとこなかったが、どうもピアノの教本のことらしい。
その心は、英文法は楽譜であり、英会話(演奏)に英文法(楽譜)は不可欠、英文法(楽譜)は英会話(演奏)のためにこそある、ということ。
そして本書が目指したのは、英文法を演奏するためのドリル(練習曲集)、すなわちこれが『英語のハノン』というわけ。
そして音楽に例える以上、発音やヒアリングについても手当てされている。
それはドリル用音声がダウンロードできたり、英文法だけでなく「英音法」という耳慣れない頁があり、そこでは英会話の際に必要となる聴き方、話し方の法則が説明される。
例えば、リンキング(stand in を「スタンディン」と発音)、アシミレーション(子音の/t/d/s/z/の次に半母音の/j/が続くとき子音と半母音がつながる→Did you(ディジュ)、エリジョン(脱落。同じ子音やよく似た子音が続くとき、通常最初の子音が抜け落ちる→will last forever(ウィ[ル]ラス[ト]フォーエヴァー)など。
もちろんこれだけでなく、ドリル用音声もダウンロードすれば、ネイティブが朗読した文章を聞くことができ、文法理論とヒアリングを結びつけて、文章を聞き、発音し、文法を理解するという三位一体理解をひたすら繰り返すことができるところは、まさに英語のハノンである。
なお、英文法のレベルは「初級」と銘打っているだけあって、中学英語程度である。
また、内容的には第1文型から始まり、不定詞、分詞、現在完了など学校で習った英文法に従ったものである。
文法的な解説はかなりあっさりしているものの、なかなか面白い視点からの説明もあり、タメになった。
- 感想投稿日 : 2022年4月23日
- 本棚登録日 : 2022年4月23日
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