狼たちへの伝言 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1992年5月20日発売)
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感想 : 16
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目次
1.生きるということは攻めることだ。防御的な人間におもしろいヤツなんていない。

2.悪しき平等社会、ニッポンにいると他人ばかり気になる。しかし、自分の首に値札をぶらさげるような、生き方はやめろ!

3.ケネディは雪のニューハンプシャーでキックオフした。本当に死んでもいいという覚悟がなければ、真の政治家にはなれない。

4.負け犬は誰も相手にしない!「負けたけど、よくやった」なんてのは日本人だけのメンタリティーだ。

5.”愛”という言葉を口にできる政治家が日本にひとりでもいるか?そこに我々の不幸の根源がある。

6.テロなんて関係ないとばかりノー天気海外バカンスがブームだが、”いま”世界は少しも”平和”なんかじゃない。

7.イイ女を抱きたかったら、DCブランドに身を包むよりエキサイティングに生きることだ!

8.外国人はコミックをむさぼり読む人間をインテリとは認知しない。世界をめざすなら、そのことだけでも知っておけ!

9.女どもに「やさしい男が好き」などといわれてヤニ下がっているヤツは、人生でも必ず負け犬になる。

10.苦しみも悲しみも人生のスパイス。自分自身の2本の足で立つしかない!

11.ローンで身を飾り、ラーメンをすすって外車を乗り回したって、男の価値は上がりゃしない。

12.戦争はいつだって老人が始め、若者が犠牲になる!

13.柵の外のブタは死ぬ。死にたくなかったら、血ヘドを吐いて狼になるしかない。

14.大学は就職や出世の手段でなく、真実と正義を追求する場所だということを、もう一度認識してくれ。

15.ダブル・インカム・ノーキッズなんて無能な広告屋がデッチあげたファッションだ!その本質は去勢された男の逃避行為でしかない!

16.”絶対”を認めない柔軟な発想から、斬新なアイデアやイノベーションが生まれる!軽々しく「正義」を口にする連中は信用するな。

17.コスモポリタンをめざすなら、皮膚の色がもたらす生理的違和感も忘れるな!

18.平和ボケ日本人にはわからない!犠牲者の悲惨とは別に、国家とは冷酷なものなのだ!!

19.人生はゲーム。酒も、女も、仕事も、真剣に取り組めば男は必ず光る!

20.エコノミック・アニマルで結構。資源のないこの国の安全を守るのは、ビジネスしかない。

21.「さよならだけが人生さ」といった詩人がいる。だが、出会いの方がはるかにエキサイティングだ!

22.諜報の本来の役割は、戦争を防ぐことにある。そこを勘違いした日本人の諜報アレルギーは、もう捨てさるべきだ!

23.すべてをさらす勇気、そしてたとえ敗れても、機を見てまたのし上がる、そんな気概。それがサクセスへの王道だ!

24.よく、国際人とは?と聞かれるが、ひとつにスケールの大きさだと考える。もっといえば、その人間のキャパシティーの広さだ。

25.男にとって大事なのは目的を持つこと。それに加えて、きちんとした思考を持つ。そうすれば、夢も金も、名前も実力も、女さえも手に入れることができる。



目次を読めば、内容がすべてわかります。
ただ、これが書かれたのは、30年以上前なんですよねえ。
つまり、対象読者である若者とは、私の世代のことです。
もっとも著者は男性にのみ語りかけていますから、私は対象外ですが。

しかし、今の若者に読ませても、多少の時代遅れな部分はあるものの、言わんとするところは伝わると思います。
垂れ流される情報に踊らされるのではなく、日本の常識を鵜呑みにするのではなく、自分で体験して自分で考えろ、と。

"所得倍増とか、資産倍増とか、減税とか、日本の政治家はつまらないポケットブックばかりを訴える。人々の家系や財政に訴えようとする。(中略)
ケネディははっきりいった。
「私がアピールするのは、あなた方の財布じゃない。私が当選したら、あなたがたにもっと犠牲を強いる。私がアピールしているのはあなたがたの誇りにだ」”
未だに10万円ばら撒き政策なんてやってるの、恥ずかしいよね。

時代だなあと思うのは、ダブル・インカム・ノーキッズ。
共働きで子どもはいらないというのが、昭和から平成にかけて確かに大流行りだった。
雑誌の特集で「子どもを持つのは損か得か」なんてやってたもの。
「損」派は経済を語り、「得」派は精神論を語って、全くの平行線だったけど。

偏見が甚だしいし、断定口調が時代にそぐわないけれど、たまにはこういう本を読んで目からうろこを落とすも良い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月24日
読了日 : 2021年11月24日
本棚登録日 : 2021年11月24日

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