八十歳をすぎてわかってきた人生の大切なこと

  • 海竜社 (2004年9月1日発売)
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感想 : 4
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日記や書簡集などを読むのが好きなので軽い気持ちで読み始めたのだけれど、多分平生通りのまなざしで物を見、感じ、普段通りの言葉で綴られた手紙のはずが、姿勢を正さなければ読んではいけないような気にさせられる。
背筋の伸びた生き方。
八十歳をすぎてなお、軽やかな感性と、行動力。
参りました。

本当は、母に何か言うための言葉探しの読書でもありました。
「一日一日をていねいに、機嫌よく生きるのが老いの幸せ」
「書くことは、頭を使い、手を使って、いのちの歩みのありようを、とどめ残すことです」
ははには、もう少し主体的に毎日を過ごしてほしいと思っているので、読んで聞かせたい言葉はたくさんありました。
でも、受け取る気持ちの無い人には、伝わらないのだろうと哀しく思ったりもして。

それにしても心身の健康。
これが、より良い人生を生きるためには必要なんだと痛切に思います。
体の健康はもとより、心が健康であること。
これを念頭に、今後どう生きるかを考えてみたいと思います。

ちなみに著者お二人はその後も何冊も本を出していらっしゃいます。
『楽しく百歳、元気のコツ 吉沢久子』
『九十歳。生きる喜び学ぶ楽しみ 清川妙』

最後のお手紙で清川さんが書いていらしたこと。
”エッセイはむつかしく、エッセイはてごわい。
 でも、私は書くことをやめることはできない”
これを英文で印刷したTシャツを、出版記念に作成したそうです。
私の場合、エッセイの代わりにブログだな。
精進しよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月21日
読了日 : 2020年6月21日
本棚登録日 : 2020年6月21日

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