唯識の思想 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2016年3月10日発売)
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今回読んだ書籍は横山紘一さんの著書「唯識の思想」です。
唯識の思想

仏教思想である唯識は、僕にとってはなかなか理解が追い付かない部分が多く、うまくまとめることができませんでした。

僕が本書を読んで、汲み取ったことは以下2点です。
・自分というのは唯だ言葉・概念があるだけで実体はなく、関係性だけである。
・依他起性(えたきしょう)の精神を体得するために、ヨーガを実践しよう

折に触れて読み返そうと思います。
以下、メモ書きです。
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〇唯識の識とは、心のこと。
つまり唯識論とは、「唯だ識=心があるだけ」ということ。
別の言い方をすれば、人それぞれの主観的世界だけが存在し、客観的世界というのは存在しない(存在証明ができない)。

〇心というキャンバスに、感覚・思い・言葉という絵の具で絵を描くことで、主観的世界が成り立っている。

〇唯識では心を8つ=八識に分けて考える。
眼識・耳識・鼻識・舌識・身識:五感とニアリーイコール。
意識:感覚を鮮明にする働きと、言葉を用いて思考する働きがある。
ーーーーーー↑表層心 ↓深層心
末那識(まなしき):自我執着心。生きていく上で必要だが、苦しみの原因にもなり得る。
阿頼耶識(あらやしき):根本心。

〇阿頼耶識の働き
過去の行い(業)の結果を貯蔵し、善い行いをすれば善い種子が、悪い行いをすれば悪い種子が蓄えられる。
瞬間瞬間の連続体であり、それにより現在や未来を形作る。

〇まずは身体を調えることにより、心(阿頼耶識)を調える。
真理は一瞬一瞬の立ち振る舞いの中にある。

〇依他起性(えたきしょう)の精神:自分以外のすべてのものにより、自分が存在している。

〇ヨーガの実践:自分でも他者でもない「息」になり切る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年11月10日
読了日 : 2021年11月10日
本棚登録日 : 2021年11月10日

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