新版 よくわかる境界性パーソナリティ障害 (こころのクスリBOOKS)

  • 主婦の友社 (2017年3月1日発売)
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 メンタルヘルスのお勉強。

 日本をはじめ世界で広く採用されている診断基準のDSM(アメリカ精神医学会『精神疾患の診断と分類の手引』)では、パーソナリティ障害とは、「その人の属する文化から期待されるものから著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式」とされています。

■境界性パーソナリティ障害のおもな症状
・感情コントロールの障害
>見捨てられることを回避:人に見捨てられることに不安があり、見捨てられないためにはなりふりかまわず行動します。
>不適切な怒り:不適切で激しい怒りをコントロールできません。
>感情が不安定:情緒不安定で、短いサイクルで強い不快気分やいらだち、不安が起こります。
・行動コントロールの障害
>自殺企図や、そのおびやかしの行動:自殺するそぶりをして脅かしたり、実際に企てたり、自傷行為を繰り返したりします。
>2つ以上の領域での衝動性:浪費、性行為、アルコールやその他の物質乱用、無謀運転、むちゃ食いなど、自分を傷つける可能性のある衝動的な行為をします。
・対人関係の障害
>ストレスに関連して生じる妄想念慮や解離症状:一時的なストレスに関連して、妄想的な思い込みが生じたり、重い解離症状が出たりします。
>慢性的な空虚感:生きている実感が持てない、自分は空っぽだ、などのむなしさの感覚を抱いています。
>自己同一性障害:自分自身のイメージが安定せず、自分はどういう人間なのかという感覚や確信が持てません。
>不安定な対人関係:安定した対人関係が保てません。たとえば、理想化とこきおろしの両極端に激しく揺れ動きます。

■認知療法:認知の偏りやクセを変えていく治療法
認知への働きかけ
1自覚:さまざまな認知のクセがあることを自覚してもらいます。
2検討:その認知は正しいのでしょうか?ほかの考え方も可能ではないでしょうか?
3再考:そうした認知のクセをとらえ直すように促します。
4変化:最も変化しにくい、中心にある思い込みを変えていきます。

■援助者の在り方
1過剰に反応して振り回されない
2過度に自分の責任を感じすぎない
3できないことはできないと言う
4改善には時間がかかると考えて、あせらない
5本人の行動は、本人に責任があるという姿勢を貫く
6本人だけでなく、自分も変わっていく
7相談する相手を持つ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2020年12月29日
読了日 : 2020年12月29日
本棚登録日 : 2020年12月29日

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