気弱な人が成功する株式投資(祥伝社新書) (祥伝社新書 353)

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  • 祥伝社 (2014年2月3日発売)
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感想 : 11
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タイトルから想像すると、株式投資に興味はあるけれど今一つよく分からなくて敬遠している個人投資家予備軍に向けて書かれた本のような印象を受ける。
だが実際中身を見ると、著名な投資家の半生や格言を適当につなぎ合わせて書いた、ほぼ実効性のない文章ばかりでほとんど学ぶことはなかった。

著明な投資家の教えがそのまま引用されてきているので、全く中身がないとは言わないが、実際に個人が投資を始めようとして、参考になる部分はほとんどない。
本書の第一章で押している、フィリップ・フィッシャーの教えでは、噂やニュースに惑わされるのではなく、投資先の会社に対する「とっておきの情報」を使うべきという教え。これはどう考えても個人投資家向けのアドバイスではなく、運用業界で働く人向けだろう。会社の社長などに直接取材に行ける機関投資家と比べて個人が持っている「とっておきの情報」なんてたかが知れているだろうし、本当に「とっておきの情報」はインサイダー取引か怪しい部分も出てくるだろう。

また、ところどころ日本の株式市場に当てはめてみたらこの教えはどう有効だろう、みたいな検証をしているが、昔この商品がヒットしたときに勘付いて株を買っていれば今は何倍になっている、といったほぼ再現性のない検証をしている。ただの「気弱な人」がどうやってプロも含めた他の投資かを出し抜いて勘付くというのか、具体性のあるアドバイスはほぼない。(まぁ強いて言えば、バフェットの得意分野に集中しろ、という教えかな。)

興銀出身でスタンフォードMBA・トップ層の外資系投資銀行と素晴らしいキャリアを歩んできた方みたいだが、恐らく個人投資家としては人に語れるほどの経験もなく、そんなに成功もしてないのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 投資
感想投稿日 : 2020年8月22日
読了日 : 2021年10月3日
本棚登録日 : 2020年8月22日

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