著者の蜜蜂の分蜂がどのようになされるかの研究。蜜蜂愛と、仲間への感謝、新たな発見をしたときの興奮と喜びが伝わってきて、読んでいてわくわくできます。蜜蜂の何パーセントとか、15分とか、分蜂のメカニズム以外のかなり細かい数字など、著者にとっては興奮に値する発見の詳細。あとは、場所や条件を変えても行動の再現性がみられたとか、他の研究者の協力で別の視点で確認できたとか、シグナルと仮定したものを阻害したら予想通り行動が変わって仮説が裏付けられたとかの因果関係の証明をどうしたのかが、すごく丁寧に書かれている(用いた統計手法で有意だった(or にできた)ので[相関]関係があったなどとして、新たな発見っ!とか公言してしまう研究者に見習って欲しい)。なので、同じ現象に関する記述が、著書の興奮と共に繰り返して記載されているようにみえる。(著者達のこうした努力は賞賛しつつ)分蜂のメカニズムの要点だけ示して貰えれば良いという視点に立てば、まとめて欲しいとか、長いっ!というレビューになるのはわからんでもない。知性を持たない?昆虫の集団が、情報を共有して、集団として正しい意志決定ができるメカニズムが、脳の情報伝達機序と類似性があって応用できるとか、人類として学ぶべきこと、などに展開されるところもなるほどなと思えます。
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- 感想投稿日 : 2022年6月20日
- 読了日 : 2022年6月20日
- 本棚登録日 : 2022年6月14日
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