Missing〈9〉座敷童子の物語 (電撃文庫)

著者 :
  • メディアワークス (2003年10月10日発売)
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本棚登録 : 1124
感想 : 42
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怪異の物語は終結し、そして世界は異界に反転する…。
欠けた自分を補う不思議なおまじない。
今回のモチーフは座敷童。
微笑ましいイメージの多い伝承ですが、異国の似たような逸話には死者も出ているとのこと…。
民俗学には、不思議で、興味深い事が沢山眠っていますね。
私は普段ホラーなどは全然怖くないと云いますか、耐性が強いのですが、
この物語の怖い点はお化けや怪異ではなく、
人の心によって齎されるものだという事だと思います。
事によっては常軌を逸しているようなこともありますが、
まったく理解が及ば無い物かというとそうでもない…だからこそ怖いのだと思います。
今回の童子様のおまじないだって、
思い返せば幼い頃に似たようなおまじないがあったような気がしますし、
私ももう何だったかは覚えていないにせよ、おまじないの本を読んだり、
何かを実践したことだってあったと思います。
おとり捜査…とばかりに亜紀が童子様を実践するという、
何とも気になる場面で物語は終わっています。

武巳も亜紀も綾子も、みんな、秘密にしている色々な事がある。
でもそれは彼らだけではなく、誰にでもいえる事なのです。
恭介に近づきたいばかりに、聡明なはずの亜紀が危険な事に単独で挑む…
やっぱり女の子は魔女と紙一重ですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2013年5月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2010年5月21日

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