さよならを言う前に (新潮文庫 ク 4-19)

  • 新潮社 (2002年12月1日発売)
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感想 : 3
4

アメリカの作家メアリ・H・クラークの長篇ミステリ作品『さよならを言う前に(原題:Before I Say Good-Bye)』を読みました。
『見ないふりして』、『君ハ僕ノモノ』 に続き、メアリ・H・クラークの作品です。

-----story-------------
著名なコラムニストのネルは、両親が事故で亡くなった時、両親がそばに立つのを感じた。
海で溺れかけた時も、励ます父と母の声が聞えた。祖父の後を継ぎ政界に入る決心をした彼女に、夫は激しく反対する。
口論の直後、夫はクルーザーの爆発事故で帰らぬ人になった。
罪の意識から事故の真相を調べるうち、思いもかけない事実が…。
そして苦しむ自分の姿が目に浮かんだ…。
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2000年(平成12年)に刊行されたメアリ・H・クラークの長篇第19作に当たる作品です。

“サスペンスの女王”と呼ばれるメアリ・H・クラークの作品ですからねー 相変わらず面白かったです、、、

祖父コーネリアス・マクダーモットの後を継ぎ政界に入る決心をしたネルは、建築家で建築会社を経営する夫アダム・コーリフがクルーザーの爆発事故で死亡した後、事故の真相を探るうちに、夫の秘密や建設業界の不正疑惑等の陰謀に巻き込まれていく物語……汚職と選挙運動、さらに心霊術を絡めるという展開が印象的でしたね。

間違えて渡したアダムの上着、亡くなったアダムの声を伝える交霊術師のボニー・ウィルソン、精神的に追い詰められていた建設会社社員のジミー・ライアン、アダムの秘書ウィニフレッド・ジョンソン……様々なピースが、ぴたっと嵌る終盤の展開が心地よかったですね、、、

サスペンスとミステリーの要素が絶妙のバランスで配分されており、巧いなー と感じました……次もメアリ・H・クラークの作品を読もうと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(海外)
感想投稿日 : 2024年2月11日
読了日 : 2024年2月11日
本棚登録日 : 2024年2月4日

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