紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2011年5月28日発売)
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イギリスの作家「ジョージェット・ヘイヤー」の長篇ミステリ作品『紳士と月夜の晒し台(原題:Death in the Stocks、米題:Where There's a Will)』を読みました。
「ジェフリー・アーチャー」、「マージェリー・アリンガム」、「エレナー・アップデール」、「エリス・ピーターズ」に続き、イギリスの作家の作品です。

-----story-------------
月夜の晩、ロンドンから離れた村の広場で、晒し台に両足を突っ込んだ紳士の刺殺体が発見された。
動機を持つ者にはこと欠かないが、浮世離れした容疑者たちを前に、「ハナサイド警視」は苦戦する。
そんなとき、思わぬ事態が発生して……。
ヒストリカル・ロマンスの大家として知られる一方、「セイヤーズ」も認めた力量を持つ著者による、巧みな人物描写と緻密なプロットの傑作本格ミステリ。
解説=「福井健太」

*第7位『2012本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
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1935年(昭和10年)に発表された「ハナサイド警視」シリーズの第1作にあたる作品です… 本国発表後から76年後の2011年(平成23年)に邦訳されて、『2012本格ミステリ・ベスト10』の海外ランキング7位となった作品です。


月夜の晩にアシュリー・グリーン村で発見されたのは、古い晒し台に両足を突っ込んだ男… 実業家「アーノルド・ヴェレカー」の刺殺体だった、、、

「アーノルド」のコテージを訪れた警官たちは被害者の異母妹「アントニア(トニー)・ヴェレカー」に出逢い、「アントニア」は従兄弟の弁護士「ジャイルズ・キャリントン」に助けを求める… スコットランド・ヤードの「ハナサイド警視」は捜査を開始し、被害者が「アントニア」の結婚に反対していたこと、「アーノルド」の異母弟「ケネス・ヴェレカー」の結婚資金援助を拒否していたこと、「アーノルド」の多額の遺産は「ケネス」が相続する見込みであること等を突き止める。

しかし、話はそれだけでは済まなかった… 事件当日に解雇されていた運転手「ジャクソン」、被害者と逢っていた謎の男をはじめとして、容疑者が次々と浮上したのである、、、

そして、7年前に南米で死亡したと思われていた「アーノルド」の実弟「ロジャー」が現われ、「アーノルド」の相続人となったことから疑惑の眼を向けられるが… 「ロジャー」も拳銃自殺に見せかけられて殺害される!? スコットランド・ヤードの捜査が手をこまねく中、「ジャイルズ」は独自に推理を進める……。


素人探偵役となりスコットランド・ヤードの捜査状況を確認したり、捜査の進め方に口を出す「ジャイルズ」が怪しいなぁ… と思いながら読み進めましたが、推理は外れちゃいましたね、、、

本格ミステリとしては物足りずインパクトに欠ける印象ですが… 恋愛模様も巧く織り交ぜた展開や巧みな人物描写、テンポ良い会話が愉しめる読みやすい作品でした。


以下、主な登場人物です。

「ケネス・ヴェレカー」
 画家

「アントニア(トニー)・ヴェレカー」
 ケレスの妹

「アーノルド・ヴェレカー」
 ケネスとアントニアの異母兄。<シャンヒルズ鉱業>会長兼社長

「ロジャー・ヴェレカー」
 ケネスとアントニアの異母兄。

「ジャイルズ・キャリントン」
 ケネスたちの従兄弟。弁護士

「ヴァイオレット・ウィリアムズ」
 ケネスの婚約者

「ルドルフ・メジャラー」
 アントニアの婚約者。<シャンヒルズ鉱業>会計主任

「レスリー・リヴァース」
 ケネスとアントニアの幼なじみ

「マーガトロイド」
 ケネスとアントニア宅の家政婦

「ジャクソン」
 アーノルドの運転手

「ハナサイド」
 スコットランド・ヤードの警視

「ヘミングウェイ」
 スコットランド・ヤードの部長刑事

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(海外)
感想投稿日 : 2023年6月18日
読了日 : 2020年12月18日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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