古代から近代に至る、日本の歴史書の歴史に関する通史。著書が歴史的経過をどのように捉えているか、各章の表題がその意を示している。古代の、政府が歴史を編集した時代、中世は、物語風歴史と宗教的史論の時代、近世、歴史の学問的研究の芽ばえた時代、そして近代の歴史学の成立した時代である。
多くの歴史書や史論が取り上げられているが、その特徴や意義について、著者の見解や評価が根拠を示して明確に説かれているので、一般読者であっても非常に理解しやすい。
60年以上前の刊行であるので、一部現在では否定されている箇所もあるが、一人の歴史家が一貫した史観の元に史書、史論を論じている、読み応え十分の史学入門書である。
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- 感想投稿日 : 2020年8月10日
- 読了日 : 2020年8月9日
- 本棚登録日 : 2020年8月9日
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