第七官界彷徨 (河出文庫 お 19-1)

著者 :
  • 河出書房新社 (2009年7月3日発売)
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本棚登録 : 1910
感想 : 185
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苔の本に ”苔文学” として紹介されていたので、興味を持って読んでみた。登場人物たちは、まさに苔のような人ばかり。ちょっと失恋しただけ(?)で精神が分裂するくらいもろかったり、かと思えばコンクリートのすきまでも生きていけそうなしぶとさも持ち合わせていたり。物語全体にただよう独特の暗さ、湿り気もまさに苔のよう(作中では「蘚」と表記)。

人生が陰っているときしかたどり着けないような、小さなすきまの中、苔々しい世界が広がっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月24日
読了日 : 2021年11月24日
本棚登録日 : 2021年11月24日

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