タイトルの「デクリネゾン」とは、フランス料理の言葉で、同じ食材を異なった調理法でつくったものを盛り合わせた料理のこと、だそうだ。
一人の女性を通して、恋愛小説・家族小説・お仕事小説の各要素が全て楽しめるところが、タイトルの意味するところなのかな。
というか、人生楽しめれば、家族のあり方なんてそれぞれでいいじゃんと思うのだ。
主人公の志絵は欲張りなのかもしれないけど、欲張り上等!と思う。
「生きる」ことの葛藤を描いてはいるけれど、ほんわかしていて、読んでいて安心してしまう。登場人物みんなが幸せになってほしいと思える、平和な小説なのだ。
「アタラクシア」と同じことを「デクリネゾン」は陽の側から描いている、と言えるかもしれない。
僕の勝手なイメージの金原さんらしくないけど、これはこれでありだな。
結末がジョン・アーヴィングの「ウォーターメソッド・マン」を彷彿させるなぁ、と思った。
いろんな形の幸せがあること。
それが多様性なのだと思う。
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- 感想投稿日 : 2022年12月4日
- 読了日 : 2022年10月23日
- 本棚登録日 : 2022年10月23日
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コメント 2件
naonaonao16gさんのコメント
2022/12/05
たけさんのコメント
2022/12/05