復讐法という設定が面白かったです。
復讐する=執行者も殺人者になるというところに、登場人物たちの葛藤と重みを感じます。
復讐を見守る立場の文乃が主人公となり、客観的に一つ一つの事例を捉える一方、彼女自身の精神面の辛さも伝わってきます。
こういう法律が一度制定されると、作中にあるように賛否が出て色々な決断をする人がいるのでしょうが、実際にどう法と向き合うかを決めるのはなかなか難しいだろうなと思います。
虐待や信仰等、それぞれの短編の事件に考えさせられる背景があるので、長編でも読んでみたいと思いました。
特に2編目の「ボーダー」はもっと深掘りして読んでみたいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年12月30日
- 読了日 : 2022年12月30日
- 本棚登録日 : 2022年12月30日
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