❖鉄道怪談集。収録作を最初から読んでいくと、鉄道ありきの設定であった怪異の主軸が鉄道から離れていくような、そんな傾向の変化するグラディエーションが並びから感じられた。
傑作集でも好みから作品に対し落差を普通感じるものだけれど、すべて魅力ある作品であった。鉄道(機関車)そのものが見せる慄きよりも、それに憑かれた(磁場に呑み込まれた)人間の妄執・狂気を描いた作品に強く惹かれた。例えば『永遠の乗客』『偽りの警報』『機関士グロット』など。『奇妙な駅』『放浪列車』の話は昔自分も想像したことがあるもので懐かしさを感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年3月8日
- 読了日 : 2016年3月9日
- 本棚登録日 : 2016年3月1日
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