こわい、こわい、こわい? しりたがりネズミのおはなし

  • 西村書店 (2016年11月7日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 10

穴から覗くカッと開いた大きな金色の瞳。
その瞳は目の前の獲物を凝視していて、突き出された大きな鼻はもうすぐ獲物の子ねずみに届きそう。

なのに、、、なのに、なんてこと!

子ねずみは警戒感まるっきりゼロで、興味深そうに猫をみつめている、、、。

緊迫感漂う赤い表紙の絵本。

子ねずみのミナは大勢の兄弟と自分の巣でお母さんの帰りを待っていた。
食べ物を探しに行ったっきり戻って来ないのだ。
そこにお母さんが転げるようにして巣穴に飛び込んできた。

「ああ、こわい、こわい、こわい、ネコよ、ネコが追いかけてきたの」
「それ、どこにいたの?」
「どこって、ネコのこと?」
「ううん、おかあさんの【コワイ】」

「こわいというのは気持ち」とお母さんに丁寧に説明されたミナだが、よくわからず、気になって眠れない。

「どんな感じなんだろうなあ?【コワイ】って」

夜中に起き出したミナは【コワイ】を知るためにひとりで外に出かけることにするが、、、。

出会うのはライオン、カバ、スカンク、ハリネズミ、ゾウ、イヌ、バッタ、カメ、そして、、、。

たぶん、人間の場合、生まれてはじめての【コワイ】は【お母さんとはなれること】だと思うが、その時期が落ち着き、外へと興味が沸いてきたときに与える絵本なんだろう。

【コワイ】を改めて考えて、対となる【安心】も教える。幼児が心を理解するには良さそうな気もする。

とても迫力ある絵でいい大人の自分も若干恐怖を憶えたーーー(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2021年2月20日
読了日 : 2021年2月19日
本棚登録日 : 2021年2月15日

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