ナレーションの無いドキュメンタリー。
イタリアの島の素朴な少年の日常風景と、その島にたどり着こうとする各国の難民たちの姿を交互に描く。
遠い国の遠い出来事だと思ってしまいがちなわたしには目に痛い、耳に痛い、心に痛い映画でした。
特に印象的なのが難民の方が避難所のようなところで歌うラップ。魂の叫び、ってわたしが言うと軽く聞こえるけど、そうとしか表現しようのない。無表情なままで涙を流す方も、たどり着く途中で命を落とされる方も大勢いる。
一方、その島に住む少年は家族に愛され、よく食べ、よく遊び、スクスクと育っている模様。木の枝でパチンコを作って鳥を狩るのがブームらしい。
そのふたつの世界を繋ぐのは少年の祖母が聴くラジオのみ。
たぶん、わたしがニュースを見るのと同じ感覚で聞いているのではないか。
ラスト、海の桟橋に座った少年の繰り返すしぐさが、わたしたちにこの問題とどう向き合うのかを問いかけてきているような気がしました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドキュメンタリー
- 感想投稿日 : 2018年7月17日
- 読了日 : 2018年7月11日
- 本棚登録日 : 2018年7月11日
みんなの感想をみる