スタグフレーション 生活を直撃する経済危機 (祥伝社新書 666)

著者 :
  • 祥伝社 (2022年9月30日発売)
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スタグフレーションとは、不況下のインフレ。この言葉は以前から知っていたが、円安が進み、輸入品の値段が高騰して物価が上がる一方、賃金が上がらない日本の現状はまさしくスタグフレーションの恐れがあると筆者は説く。
この本はスタグフレーション時代にいかにして生活を守るかという観点から書かれているが、価格決定の仕組みや為替の影響、オイルショックとの対比、重要曲線と供給曲線など経済全般にわたり、幅広い基礎知識も紹介されている。
そのため、大学時代に学んだ経済学や新聞から知った知識のおさらいになる事項が多かった。
あらためて勉強になった事項を以下にピックアップしておく。
・国内にあった工場の多くが海外にシフトしているため、現地で得た外貨を日本に送金せず、円買い需要が少ない状態が続いている。
・日本経済の地位低下で日本円が安全資産とは見なされなくなってきている。
・過度な円安防止に対し為替介入は手持ちのドルを放出し、外貨準備を減らすため、金利を引き下げるしかない。
・インフレが進むと銀行預金や現金は価値が下がるがじわじわ進むため、日常生活では、それをなかなか実感できない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済・社会
感想投稿日 : 2023年2月16日
読了日 : 2023年2月15日
本棚登録日 : 2023年2月5日

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