「たとえば雨は雨ですよね。人間は雨を悪いお天気みたいに言いますが、天気に吉凶も幸不幸もない。ただ雨は降る。わたしは雨を降らせることもやませることもできないけど、こうして木下さんをお茶に誘う口実にすることはできます」
神社にふらっと訪れる不思議な猫“ミクジ”からタラヨウの木に刻まれているお告げをもらった7人の心あたたまる短編集。
ファンタジーではあるものの、登場人物たちのモヤモヤがリアルで思わず共感してしまった。
著者は口に出すほどでもないけれど、小骨が刺さっているようなモヤモヤを言語化するのが上手い。
最初は意味の分からないお告げにしっかりと意味を持たせ、前向きにモヤモヤを晴らしていくので読んでいてすっきりとする。
特にお気に入りは【マンナカ】
自分の中にあるマンナカ(自分が自分であるために譲れないことや、好きなこと)を大切にしたいと思った。
また、心にスペースを作っていれば神様が入る場所ができるというのも興味深かった。
新生活に読みたくなる心あたたまる一冊だ。
こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
・新生活を迎える人
・心あたたまる話が好きな人
・猫が好きな人
・夏目友人帳が好きな人
・前向きになる話が好きな人
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年4月22日
- 読了日 : 2023年4月22日
- 本棚登録日 : 2022年8月8日
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