地方創生大全

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2016年10月7日発売)
3.80
  • (2)
  • (17)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 127
感想 : 17
5

拾い読みしやすい。
・過去に問題があった進め方に新たな名前をつけて再度実行してしまう。・・よくある。
・地方移住に関するメディアの報じ方も異常。・・そのとおり。理想すぎて、実態はこれっぽっちも影響を与えるような人数でないのに。
・道の駅も一見すれば地域のためになっているように見えるが、その多くは初期投資も回収できず、運営にも税金が使われる赤字経営ばかり。・・二ツ井の道の駅が代表格でないか。大丈夫か、何年持つかな。
・人口を増加させるというのは、それだけの人を食べさせられる産業をつくるという話であり、地元で強くしていく産業があって、その産業に適合できる人材を集めるという発想が自然。
・経済効果はプラス面だけしか見ていない。マイナス効果が必ずあるのに無視しているので、真に受けると馬鹿を見る。
・特産品開発のワナ。①商品、補助金が必要なほど資本力がないにもかかわらず競合の多い人気商品市場に参入していないか。②原材料、地域資源だからといって地元にある原材料から考えていないか。③加工技術、技術頼みで果たしてそれは価格に転嫁することが可能なのか。④販売価格、経費を積み上げた結果、高価格になっただけというのは作り手の勝手な都合であって、売ってくれる側や買う消費者にとっては受け入れられない。
・ブランド化より重要な付加価値(自分たちの売り方、作り方に変化を付ける)向上策。①皆が売っていない時に売る。②店の特定メニューに合わせて作物を作る。
・地元の歴史や昔話をもとにした観光事業ではだめ。未来に向けて地域の変化を感じ取り、絞り込みをし、従来とは全く異なる優位性をもたらすものを見つける。
・施設を建ててから解体するまでのライフサイクル全体のコストは建設費の4〜5倍はかかる。
・積小偉大(せきしょういだい)小さく積み上げ、売り上げの成長とともに投資規模を大きくしていく。
・地方消滅は地方がなくなるのでなく、地方自治体が今のままでは潰れるということ。人口に左右されない生産力を確保しなければならない。ロボットや人工知能、シェアリングエコノミーなどに。減少する人口を前提とした経済や社会の設定が必要。
・観光で重要なのは、観光客数でなく観光消費総額。10万人が1000円使うような観光でなく、1000人が10万円使う観光を目指すべき。
・重要なのは新幹線をつくることではなく、人が新幹線に乗ってやってくる「目的」をつくること。
・地方に必要なのは、一回しで終わらない、一度資金を入れたらそれをもとに、地域内経済を取り込んで回り続けるエンジン。
・地域活性化は政治・行政の仕事などと本気で思ってはいけない。手元にある資源で事業に取り組み利益を出して、さらに次の事業に投資し続けるというサイクルをつくるのが地域活性化の基本。補助金に頼るのはサイクルから外れている。
・地域を活性化させるのに必要なのは、客観的な助言(最たるものがコンサルトによる助言)でなく、問題解決のために知恵を出し、実行すること。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス・経済
感想投稿日 : 2021年11月11日
読了日 : 2021年11月10日
本棚登録日 : 2021年11月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする