ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある

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  • 山と渓谷社 (2021年8月30日発売)
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・巣の中は安全、外は危険がいっぱい。だとすると余生が長い若いアリには巣の中で安全な仕事(子育て等)をしてもらい、歳を取ったアリには外で危険な仕事をしてもらう。結果として死んでしまったとしても余生は短いので巣全体に対する損失は小さい。人間は逆(老人を敬う)のは、過去は老人の経験や知識が有益であったから。現代はどうだろうか?
・エサを取りに行く時に、発見したアリのルートを辿らずに間違えてしまうアリがいた方がショートカットを見つけられるかもしれない。
・個々のアリは仕事をしたい/したくないという主観ではなく、単に刺激(=業務)に対しての閾値が違うだけ。怠け者も仕事量が増えれば働くようになる。
・皆が同じ閾値を持っているといざという時に疲れてしまっていて、酒が絶滅する可能性がある。短期的には怠け者のアリがいると非効率になるものの、長期的には種の存続に貢献するのである。
・短期的な効率性の追求と長期的な持続性はトレードオフの関係ということか。
・中には全く働かないフリーライダーも出てくるが長期的には、巣はフリーライダーだけになり滅びる。その滅びた巣に種への貢献だけを行うアリが移ってきてまた反映していく。つまり、フリーライダーだらけにはならない。

・今は役に立たないことでも社会が変化した際に役に立つ可能性があることは持続性の意味ではmake sence(ふらふらしてるアリが餌までの最短距離を見つけることもある)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月19日
読了日 : 2022年2月19日
本棚登録日 : 2021年11月7日

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