バグトリデザイン 事例で学ぶ「行為のデザイン」思考

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  • 朝日新聞出版 (2020年2月20日発売)
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本棚登録 : 289
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世の中にあふれる多彩な例を引き合いに出してデザインのバグ,不具合とその見つけ方,改善策についてまとめている。文字もやや小さく分厚いけれど,わかりやすくスッと読める(とはいえ頭に残らないわけではない)。自分の携わる部分について、検討するときの観点としても有用。
とはいえデザイン面については参考になるところが多いけど,そこから一歩踏み込む考察とか文化面については浅かったりよくわからない部分があった。例えば、属性に合わせすぎたマーケティングでわざわざ河合隼雄の「中空構造」まで引用してヤンキー属性を説明しているけれど何を伝えたかったのだろうか。そうでない属性とはなんだろうか?そしてそうでない属性のメリットとは何か?
もうちょっと突っ込めば,すべてのプロダクトやサービスが本書の内容を完全に実行できたときに,文化はどれくらい多様なのだろうか,リベラル世界なポリティカル・コレクトレスをクリアしたものだけになってしまうのではないかと疑問に思うところもある。それとも対象等の違いで解決する問題なのか。文化の多様性と正しさの問題はここだけでは語れないけれど。
あと,本文が日本語のこの本で挿絵の言葉が英語になっているのは意図的なバグだったのだろうか?謎である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養・ビジネス書
感想投稿日 : 2020年7月26日
読了日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年6月20日

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