お父さんが殺人をし、犯罪加害者家族になってしまった。15才の涼平の立場で書かれています。
父に対する愛情や悲しみや怒り。
自分ではどうすることもできない犯罪加害者家族という立場。そこから逃げたい気持ちと、向き合わなければならないという気持ち。
それまでは、なんの屈託もない15才の中学生だったのに、その日からガラッと変わってしまう。
周囲の心ない言葉や他人事のような慰め、腫れ物にさわる態度。そういうものに傷つけられていく。
小学校低学年の弟、周平も彼なりに受け止め乗り越えようとする姿が心を揺さぶる。また、涼平は、周平や母の辛さを助けたいと思う気持ちもある。
息もつまるような苦しい気持ちをよく書いてくれたと思います。
そのなかでも、希望の見える終わりかた。
人を傷つけ不幸にするのも人だけれど、人を助け温めてくれるのも人なのですね。
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- 感想投稿日 : 2022年10月29日
- 読了日 : 2022年10月5日
- 本棚登録日 : 2022年10月5日
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