投資戦略の発想法 2010

著者 :
  • ナレッジフォア (2009年6月1日発売)
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株式投資について勉強していた際に、非常に参考になった「投資戦略の発想法」。
最新版が発売されていたので、購入して読んでみました。

こちらの書籍は、小泉政権時の竹中チームのメンバーであり、最近話題になっていた日本振興銀行の元会長 木村剛氏が、今後苦しくなる事が予想される日本社会において、サラリーマンが安全にリタイヤできる資金を確保できるよう、経済・株式投資の基礎知識、株式投資の大まかな実践方法についてまとめられたものです。具体的な銘柄の選定については書かれてませんので、そういった知識については、別途勉強する必要があります。

内容に関しては、以前の投資戦略発想法とそれほど変わってませんが、現在の日本経済の状況、サブプライムローン、新しい証券関連の税制に関する内容が追加されています。今回はポジショントーク的な部分が結構ありました。

著者が提案する投資戦略は、おおまかにまとめると下記の通りになります。

1. まず自分の資産と負債をバランスシートにして、それを月一でチェックする。また家計簿を付けて支出を把握して節約に注力し、生活防衛資金(生活費2年間分)を貯める。

2. 現在の仕事を確保し続けられるよう、また労働収入を増やせるように、自己投資して仕事に注力する。仕事に注力する事で経済・投資に関する知識も自然と増えてくる。

3. 「1」~「2」を実践して生活防衛資金を貯められたら、国債・国内外ETF・外貨MMF/FX等で投資に慣れて、慣れてきたら個別株式投資に移行する。個別株式投資の銘柄については個人的に勤めたいと思うような企業を選び、銘柄数についてはリスク分散効果が得られる20銘柄程度とする。

個人的に印象に残った箇所は、下記の通りになります。

・節約は、最も確実な運用手法であり、生活防衛資金のハードルも下げられる。
・生活防衛資金を準備しておく事で、失業した際の就職活動にじっくり取り組めるし、また失業・怪我等で労働収入を得られなくなった場合に投資商品を売却しなくても済む。
・資産形成=(労働収入-支出)+(資産×利回り)
・サラリーマンにとって、最も重要で効率的な投資は自己投資であり、資産運用は副業である。
・投資商品に関しては、手数料が安くて流動性が高いもにした方がよい。
・株式投資は長期的には有利だが、パフォーマンスが良い時期を逃してしまうと、極端に利回りが落ちてしまうので、長期的に我慢図良く保有し続けるしかない。個人投資家は、ファンドマネージャーと違って、顧客からの圧力もないので。

こちらの周りには、世間の株ブームやロバートキヨサキの金持ち父さんに触発されて株式投資を始めたものの、投資を理解しておらず戦略を持っていなかった為に、株式投資から撤退してしまった人をかなり見かけました。

株式投資は、一般人が労働収入以外で資産を増やせる数少ない手段ですので、株式投資に失敗した方や投資に興味を持ち始められた方にお薦めしたい書籍の一つです(以前発売された方の投資戦略の発想法でも全然問題ないと思います)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年8月12日

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