本巻の最大の見せ場は水崎氏である事は論を俟たない。
「大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。
動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。」
この水崎氏のチカラ強いメッセージは、拡散と浸透を経て、ナヨナヨで形骸化した「オタク」たちには意味がわからない事だろう。
「人と価値観が違う」事がどれだけストレスであるか。その救済は「みんなと同じ」な人間には不可能だ。
そしてそれはオタクコミュニティに埋没して癒える程度の溝ではない。自分で自分を救済するために、自分で創作する。その心意気がこのセリフなのである。
ぼくたちは他人に依存し、自分を救済していくれる何かを待ち望んではいけない。
いや、それはそれでいいのだが、それは「その程度」のことでしかない。
そうではないはずだ、ぼくたちの実存は。
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- 感想投稿日 : 2021年4月26日
- 読了日 : 2021年4月26日
- 本棚登録日 : 2021年4月26日
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