失敗学のすすめ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年4月15日発売)
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本棚登録 : 2564
感想 : 245
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知っている上司が紹介していたため、話のネタ用に。
きちんと読むと疲れそうだったので60%程度で・・

それでも付箋貼ったところは多かった。
自分の勤める会社もまさに本書でいく”ダメ組織”だった。
効率化コストダウンを全力推進中で
技能継承はマニュアルだけでやってるもんなぁ。
「データベースはあるのに、誰も活用しない」という話も
「うちも!!」と思った。
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・「こうすればうまくいく」といういわば陽の世界の知識伝達によって新たにつくりだせるものは、結局はマネでしかありません。ところが、「こうやるとまずくなる」という陰の世界の知識伝達によって、まずくなる必然性を知って企画することは、人と同じ失敗をする時間と手間を省き、前の人よりも一ランク上の創造の次元から企画をスタートさせることができます。14

・これらの点に関して、地元の消防対策関係者から再三にわたって防災対策の要望がなされましたが、当時の国鉄はこれを聞き入れず、「検討する」とだけ答えてなにひとつ対応しませんでした。44

・役割分担が明確な企業などの組織では、企画者の下に実行者がいるのが一般的です。このケースでは企画そのものが悪ければ、実行者がどんなにがんばってもうまくいくはずがありませんが、実際はまったく責任がないはずの実行者に失敗原因が帰せられて後始末が行われることが多く、企画不良による失敗は実行者にとって最もつらい形になりがちです。とりわけこうしたことは、トップに権力が集中している組織に起こりがちです。74

・優秀なメーカーの営業マンの条件のひとつに、「自分の会社のものの流れをよく把握していること」というのがあります。153

・マニュアルからはずれたときに起こるべき問題を教え込まないことには、軽々にこれを試した結果の大失敗というものを誘発しかねません。226

・「まさかこんなことが起こるとは思わなかった」ではなく、「あり得ることは知っていたが、まったく考えていなかった」238

・単純な理由で致命的な失敗がおこる原因 ①技術が成熟していること ②大増産、もしくはコストダウン対策やリストラ策がはかられているところ240

・会議の多い会社ほど、失敗を起こしやすい体質を備えている…/…実際、会議の場での議論で重要な決定がなされることは、現実にはほとんどありません。むしろ審議をして決めたという既成事実づくりが目的で、これを盾に反対者の口封じを行ったり、失敗時の責任回避のための予防線にされているのが実態です。256

・役に立つ話であっても、関心がないのに強制的に気化されたのでは苦痛でしかありません。組織の主導で、研修や勉強会の名のもとに行われている知識伝達の多くは、ともすればこんなふうに形骸化したものになりがち274

・最大効率をお題目に、こうやればどうなるという仮想演習さえ禁じて、関連するはずの他部署の仕事の中身も全く教えず、全体システムの中でそれぞれの関係の脈絡を断ち切ってきたのが、日本企業の典型的な管理手法でした。280

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月21日
読了日 : 2024年1月21日
本棚登録日 : 2023年12月21日

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