蝉かえる (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2023年2月13日発売)
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本棚登録 : 579
感想 : 44
5

前作の「サーチライトと誘蛾灯」が良かったので楽しみにしていた第二弾。5篇の短編集。
いや~やっぱり面白かった。
魞沢 泉のキャラクターがいい。飄々としているけど、大好きな昆虫については饒舌。人見知りだけど、実は昆虫と同じように人にも好意的に興味がある。そして、まっすぐ。
どの話もラストは切ない。皆が切実で真剣だからこそ切ない。
どの話も大好きだったけれど、特に
「彼方の甲虫」での、明日が来ることと、僕に明日があることは、同じではない。という言葉が胸を打つ。そして、この話での友情が「サブサハラの蝿」に繋がってハッとさせられる。
「サブサハラの蝿」では I beg your pardon?(もう一度言ってもらえますか?)の意味が変わるのが切ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Audible
感想投稿日 : 2024年2月4日
読了日 : 2024年2月4日
本棚登録日 : 2024年2月1日

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