『時かけラジオ』
穏やかさ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
鎌倉に行ってみたくなる⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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「子供電話相談室」
当時、ラジオ聴いていたことを自然に思い出すのでした。
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1.購読動機
ブクログの読者レビューです。ブクログがなければ、出会いがなかった作家さん、物語です。
レビュー内容が、ほっとする、ほろりとするという穏やかな内容でした。
わたしは、ハラハラ、そしてドロドロな物語(映画も)は得意ではありませんので、、、。
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2.主人公
舞台は鎌倉です。海沿いにある地元のラジオDJが主人公です。20代の彼は、流行を案内するではなく、生み出すDJになりたいという志を持っています。
彼の性格は穏やかです。そして、海沿いで広がる物語も、同じく穏やかです。
ほっとしたいときにピッタリの小説です。
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3.はじまり
年代は、バブルはじける前の1985年。
そう、ラジオ全盛の時代です。
DJの彼は、都内で活躍する同年代のDJの仕事ぶりを目にします。
その姿は、まさに彼が憧れるDJのあり方そのものでした。
鎌倉に戻り、意気消沈した彼。ひとりラジオブースにただずみ、独り言をマイクに向けて語り始めます。
もちろん、電源はオフ。
届くことのないラジオの電波。
しかし、視聴者が存在したのです。
そして、その視聴者は、未来、2020年代に生きる人々でした。
1985と2020という二つの時代。
ラジオが時を超えて、人と人を紡ぎます。
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4.読みどころ
DJの彼は、時を超えていくつかの出会いをします。
①幼ななじみの異性の友人、そして同性の友人の結婚スピーチに悩む女性。
②両親が離婚し、新しい父親に馴染めない男児。
③定年まで務め、いよいよ妻とゆっくり過ごそう思う男性。しかし、引き出しから離婚届けが、、、
④女性。この四人目の登場が、時を、物語の展開を加速させます。
いずれの出会いに対しても、DJの彼は、聴き相手になります。
視聴者は、ラジオをきっかけに踏み出せることになります。
そんなやりとりに特別なことはありません。
だからでしょうか?
ほっとする気持ちが最後のページまで続きます。
もし、鎌倉にいくのなら、鎌倉でもう一度開いてたくなる物語でした。
- 感想投稿日 : 2024年3月3日
- 読了日 : 2024年3月3日
- 本棚登録日 : 2023年9月16日
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