夜の写本師 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2014年4月12日発売)
3.99
  • (133)
  • (187)
  • (104)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 1824
感想 : 171
2

ファンタジーよりSF派。むしろファンタジーは少し苦手意識を持っていたけれど、この作品は読めた。かなりしっかりとしたファンタジーだったけど、恐らく文章の美しさと、人間の陰と陽の描かれ方が好みだったから。

魔女と魔導師を絡めた1000年にも渡る、何代もの生まれ変わりの復讐劇、という壮大なテーマの割に、中間部は複線が少しずつ繋がっていく作りに飽きず、ドロドロ具合にフォーカスしすぎたわけでもなくバランスが良い。ラストのまとまりも、後日談も後味の良いものでした。

写本師の手によって1冊1冊紡がれる写本。
こだわりのインクや紙、写本師それぞれが使う紋章。
そんな1つ1つが美しくて素敵だ。
そして、この本自体の想定も美しくて好み。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説:SF/ファンタジー/ホラー/幻想文学
感想投稿日 : 2021年12月28日
読了日 : 2021年12月27日
本棚登録日 : 2021年12月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする