チェーザレ 破壊の創造者(4) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社 (2007年11月22日発売)
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感想 : 41
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第1巻の終わりから第2巻の最初までは「世事に疎いアンジェロのための社会化見学」だったのが、今号では「庶民生活に疎いチェーザレのための社会科見学」っていう感じでしょうか(笑)。  企画:ボルジア、遂行:メディチの産業振興プロジェクトで問題が発生したのを機にチェーザレが工事現場視察(偵察?)に行くエピソードが楽しいです。  政治的なことには年齢を感じさせない「大人顔」のチェーザレが、工事現場視察をほっぽらかしてついでに出向くピサでのお祭り観光では、以前ダ・ヴィンチに見せたのと同じような子供の顔を見せてくれます。

たまたま今号にはルクレツィアの回想という形で、大学入学前のチェーザレの幼い姿も描かれているところから、ホント、お祭り見物で見せる好奇心に突き動かされたチェーザレの行動が何とも言えません。  ある意味、年相応とでも言いましょうか・・・・・。  こと政治が絡むと凄みさえ見せるチェーザレが護衛を巻くために屋根伝いに逃亡する際に見せる生き生きとした表情、アンジェロと並んで路上でプルーンを食べ残った種をプッと飛ばす種飛ばしに興じる様子、悪意なく潜り込んだテントで着替え中のダンサーに痴漢扱いされつつも好奇心には勝てずにいつまでも彼女たちの裸体に名残惜しげな様子、十字軍を題材にした芝居の筋立てに思わず口を挟んでしまう様子、屋台の的屋でのドタバタ騒動、寄木細工のからくり箱に真剣に取り組む様子・・・・・。  その全てがチェーザレにとっていかに新鮮な体験でいかに貴重なものだったのかが伝わってきます。

チェーザレの住む大司教邸ではナッツを暖炉にくべて破裂音がしただけで護衛がすっ飛んでくるのですから、この対比たるや凄いものがあります。  しかもその騒動にウンザリしたチェーザレが「何事もほどほどということか・・・・」といった直後のイベントなだけに、ついつい「あれ??  何事もほどほど・・・・じゃなかったんですか?」というチャチャをついつい入れたくなってしまうのは KiKi だけではないのではないかしら・・・・・(笑)。 

(全文はブログにて)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史関係
感想投稿日 : 2010年9月12日
読了日 : 2010年9月12日
本棚登録日 : 2010年9月12日

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