この本は世間に数多ある「アーサー王物語」「円卓の騎士の物語」とは明らかに一線を画しています。 つまり、その物語そのものを語るための本というよりは多分に「アーサー王伝説」がどのように作り出され、その物語がどのように発展し、どんな時代背景によって「聖杯伝説」と結びついていったのかを鳥瞰するような作りになっています。
KiKi は過去に何冊も「アーサー王」もしくは「円卓の騎士の物語」を読んできたけれど、こんな形で「アーサー王伝説」を引きの姿勢で俯瞰してみたことはなかったので面白く読むことができました。
又、この本には数多くの図版が盛り込まれているので、(何せこの「知の再発見双書」の副題は「絵で読む世界文化史」というぐらいですから!)資料的な価値も高い本だと思います。 まあ、サイズがちょっと小さめなのが残念といえば残念ですが・・・・ 「アーサー王伝説」や「円卓の騎士の冒険譚物語」そのものをじっくりと読んでみたい方には別の本をオススメしたいと思いますが、これらの物語世界をある程度ご存知の方で、「アーサー王ってホントは5世紀ごろにサクソン人と戦った司令官なんじゃないの??」とか「円卓の騎士がどうして聖杯を求める旅に出なくちゃならなかったの??」な~んていう疑問を持っていらっしゃる方には1つの見解としてこの本がオススメできるように思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
叙事詩・英雄伝・中世騎士物語
- 感想投稿日 : 2009年10月10日
- 読了日 : 2009年9月18日
- 本棚登録日 : 2009年9月18日
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