かつて鯨油が代表的な油だった19世紀の米国において、鯨の捕獲量が減少し鯨油が枯渇した際に、ペンシルバニア州で算出した石油が代替的に用いられるようになった。すなわち、ほんの1世紀前は、石油こそが代替エネルギーだったのだ。
バークレーの物理学教授による包括的なエネルギー論。「エネルギー災害」「エネルギー景観」「代替エネルギー」「エネルギーとは何か」の4部構成。
エネルギーとは、人間の生活・生産活動の根源をなすが、各人が異なる考えを持っている分野である。この本は、データに裏打ちされた説明をしていて断片的な知識を整理することができた。
ハードな内容なので傍線を引きながらの読書となったが非常に内容が濃い。
先進国と新興国の政策上のコンフリクト、米国シェールガス増産による中東産油国への政治上の影響、各代替エネルギー源のコストや技術上の論点などについても詳述。電気自動車についての論評は、バッテリー交換コストを考慮すると非合理的な選択肢でしかないと結論。
同僚M氏の推薦本。初版(2014年7月)。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自然科学
- 感想投稿日 : 2015年1月25日
- 読了日 : 2015年1月25日
- 本棚登録日 : 2015年1月25日
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