長野オリンピック500mで金メダルを獲得した瞬間、全身に集まった重圧を一度に放出するようなガッツポーズのことを今でも鮮烈に思い出す。
著者にはかつて日本人初のフルタイムF1ドライバー中嶋悟のF1最後の一年間をフリーライターの立場で取材した著書がある。トレーニング方法や実際の競技の結果に焦点をあてるのではなく、競技者本人の感覚や人間性そのものを解き明かそうとする切り口は新鮮で、なかなか他では目にすることができないと思う。
清水選手の自分の身体に対する感覚はまさに「人間離れ」しており、筋繊維の一本一本までもを支配するような鋭敏な感覚を持つ。その鋭い感覚を宿す清水選手自身の体は、筋肉がわずか13日間で再生するようなスピードと、その生まれ変わりつづける肉体を意のままに操る意思があってこそ成立することができる。
常人の手に届かないレベルまで肉体を作り上げ、活動させた清水選手を知る本。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2008
- 感想投稿日 : 2008年2月15日
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- 本棚登録日 : 2008年2月15日
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